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アレルギー性鼻炎の手術

サラサラした水のような鼻水が止まらない症状はアレルギー性鼻炎が疑われます

鼻をかむ女性アレルギー性鼻炎には、サラサラした水のような鼻水、鼻詰まり、くしゃみという特徴的な三大症状があります。サラッとした鼻水は出ていることに気付かないこともあり、鼻をいくらかんでも止まらずに日常生活へ支障を及ぼします。
アレルギー性鼻炎は、決まったシーズンに症状が起こる季節性アレルギー性鼻炎と、季節を問わずに症状が起こる通年性アレルギー性鼻炎に大きく分けられます。
季節性アレルギー性鼻炎には花粉症があり、早春から春に症状を起こすスギやヒノキの花粉によるものが有名ですが、カバノキ科・イネ科の植物やヨモギ・ブタクサなど、初夏や夏、秋に症状を起こす花粉症もあります。
通年性アレルギー性鼻炎では、ダニやハウスダスト、ペットのフケ・唾液・毛、真菌(カビ)、化学物質など様々なものがアレルゲンとなって生じます。ダニアレルギーは基本的に通年性ですが、秋にアレルゲンが増え症状が悪化するため、秋の花粉症と思われている場合もあります。

アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎と風邪の違い

風邪でも鼻の症状が強く、他の症状がほとんどない場合にはアレルギー性鼻炎のように感じられることもあります。ただし、明らかな違いもいくつかありますので、両者の違いを下記にまとめました。

  アレルギー性鼻炎 風邪
鼻の症状 透明でサラッとした水のような鼻水
連続するくしゃみ
粘度の高い鼻水
くしゃみはあっても単発が多い
鼻以外の症状 眼の痒み
白目の充血
涙が増える
喉の痒み、違和感
肌荒れ
発熱
喉の痛み
咳、痰
寒気
筋肉痛、関節痛
症状が強くなるタイミング 朝方 鼻症状の時間帯による強弱はほとんどない
症状の持続期間 2週間以上
ただし、アレルゲンの存在しない環境では症状を起こしません
7~10日でほとんどの場合は回復

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー症状を起こす原因はアレルゲンです。花粉症の場合は、スギ、ヒノキ、カバノキ科・イネ科の植物、ヨモギ・ブタクサなどがあり、アレルゲンとなる植物の花粉飛散時期に症状を起こします。
通年性アレルギー性鼻炎では、ダニによるものが最も多く、他にもハウスダスト、ペットのフケ・唾液・毛、真菌(カビ)、化学物質など多岐に渡る物質がアレルゲンとなります。
複数のアレルゲンに対してアレルギー反応を起こすケースもあり、血液検査でアレルゲンを確かめることで有効な対策や適切な治療が可能になります。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎の三大症状

  • サラッとした水のような鼻水
  • 鼻詰まり
  • 連続して出るくしゃみ

上記以外の症状

  • 眼の痒み
  • 白目の充血
  • 涙が増える
  • 喉の痒みや違和感
  • 肌荒れ

など

アレルギー性鼻炎の検査

血液検査問診で症状の内容や経過、症状が出やすい場所や季節、環境などについて伺います。その上で、血液検査を行ってアレルギー反応を起こすアレルゲンを特定します。

アレルギーの検査について

アレルギー性鼻炎の治療

基本的に薬物療法を行って治療します。抗アレルギー薬を中心に、副腎皮質ステロイドなどの内服薬、点鼻薬としてアドレナリン系薬剤や副腎皮質ホルモン薬などが使われます。様々な作用や効果の薬が存在しますので、患者様の症状だけでなく、ライフスタイルなどに合わせた処方も可能です。
また、スギ花粉とダニのアレルギー性鼻炎では、根本的な治療効果を期待できる舌下免疫療法も行っています。
こうした保存的療法では十分な効果を得られない場合や、服用する薬の種類や量を減らしたいケースでは、手術を検討します。

舌下免疫療法について

三島うめな耳鼻咽喉科のアレルギー性鼻炎の【日帰り】手術

当院ではアレルギー性鼻炎治療として、下記の手術を行っています。適した術式は患者様の症状や状態、年齢、お困りの点などによって変わってきます。

遠方にお住まいの方は手術当日に近隣のホテル等に宿泊をお願いすることがあります。

鼻閉改善手術:鼻中隔矯正術+下鼻甲介手術

アレルギー性鼻炎による鼻粘膜の腫れや鼻中隔の弯曲などによって強い鼻詰まりが生じている場合に行われます。
鼻中隔の弯曲を解消するために軟骨と骨を最小限の範囲で切除する鼻中隔矯正術と、下甲介という面積の広い粘膜や骨を切除する下鼻甲介手術を同時に行って、鼻呼吸をスムーズに行えるようにします。詳しくはこちらを参照してください。

鼻汁改善手術(後鼻神経切断術)

鼻水や鼻詰まりが強く、他の治療法では十分な効果を得られない場合に検討する手術です。
鼻水やくしゃみといったアレルギー反応に関わる後鼻神経を下甲介の後方で分岐させて切断する選択的後鼻神経切断を行います。

鼻汁鼻閉改善手術・鼻腔粘膜焼灼術

鼻水、鼻詰まりの症状が強い場合に行います。動かずに受けられる場合には8歳から受けることができます。粘膜の内部や表面の一部を凝固します。
手術自体の所要時間も10分程度であり、術後の制限も短期間です。
なお、術後の1週間程度は鼻詰まりの悪化が起こる場合がありますが、多くの場合はその後、改善に向かいます。ただし、この手術では十分な効果を得られないケースもあります。

手術の名称 鼻閉改善手術
鼻中隔矯正術+下鼻甲介手術
鼻汁改善手術
後鼻神経切断術
所要時間
(前処置などを含まない執刀時間のみ)
30分~1時間半 30分
手術適応年齢 15歳から69歳 15歳から69歳
術前検査 血液検査、心電図、呼吸機能検査
基礎疾患がある場合、そのコントロール
血液検査、心電図、呼吸機能検査
基礎疾患がある場合、そのコントロール
術後の休学・休職
(術日を1日目とした場合)
2~3日 2~3日
運動や飲酒などの生活制限
(術日を1日目とした場合)
14日程度 14日程度
術後の経過観察受診 翌日、1週間後、3週間後、2か月後、3か月後
これ以降は状態・年齢などにより変わります
翌日、1週間後、3週間後、2か月後、3か月後
これ以降は状態・年齢などにより変わります

サラっとした水のような鼻水(アレルギー性鼻炎)でよくある質問

サラッとした水のような鼻水に微熱が伴います。新型コロナの可能性はありますか?

新型コロナウイルス感染症をはじめとしたウイルス性の風邪、急性副鼻腔炎など、様々な疾患の可能性があります。

サラッとした水のような鼻水で熱がない場合、外出は可能ですか?

サラッとした水のような鼻水が出るだけで他の症状がない場合には、特に制限なく外出可能です。普段通りにお過ごしください。

サラッとした水のような鼻水と連続したくしゃみがある場合、アレルギー性鼻炎ですか?

1週間程度で症状がなくなった場合は風邪の疑いもあります。1週間以上こうした症状が続く、特定の季節や場所で症状が現れるといった場合にはアレルギー性鼻炎が強く疑われます。

抵抗なく出てきてしまうような鼻水なのに鼻詰まりを伴うのはなぜですか?

鼻詰まりは鼻水が詰まった場合だけでなく、鼻腔や副鼻腔の粘膜の腫れや鼻中隔弯曲症などでも生じます。
鼻水は風邪で、鼻詰まりは鼻中隔弯曲症でと異なる原因で同時に症状を起こしているケースもあります。また、副鼻腔炎では一般的に鼻詰まりに加えて粘度が高く緑がかった鼻水が出ますが、サラッとした鼻水が出る場合もあります。

アレルギー性鼻炎の手術費用

限度額適用認定証をご持参いただくか、窓口でオンライン資格確認をご利用いただくことで窓口負担が軽くなります。

手術名 3割 1割
内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(骨、軟骨手術) 19,860円 6,620円
内視鏡下鼻中隔手術Ⅲ型(前彎矯正術) 89,040 29,680
内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術) 片側 23,820円 7,940円
内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術) 両側 47,640円 15,880円
後鼻神経切断術
(経鼻腔的翼突管神経切除術)両側
182,760円 60,920円
下甲介粘膜焼灼術 片側 3,240円 1,080円
下甲介粘膜焼灼術 両側 6,480円 2,160円